大きい方が年間3万円も安くなる
普通、容量が大きくなれば電気代も高くなるだろう、と思います。そのため食材が多くなければ小さめで十分、と考えている人は多いと思います。
しかし実際には、300L前後の小さなモデルよりも、500L以上のモデルのほうが年間消費電力量は明らかに低くなります。
カタログなどの比較一覧表で年間消費電力量を比べれば、確かにそうかも、と納得できると思います。特に400L以下のクラスでは、年間消費電力量が50~100kWh/年も大きくなるので、電気代にすると年間で15000~30000円もの差がでます。
容量が増えるのに、消費電力が小さくなるって不思議ですね。なぜこんなことが起こるんでしょう。
電子制御の進化
最近のほとんどの冷蔵庫では「インバーター」「○○センサー」「エコナビ」といった冷蔵庫を電子制御する機能が搭載されています。これらは、冷蔵庫に内蔵されたコンピュータが、庫内にある食材の量や質を、開閉時間・利用頻度などを判断し、最適な冷気の運用をする機能です。
ほとんど開け閉めしない時間帯の冷やしすぎを抑えたり、食材が減ると自動的に運転を弱めたりすることで、消費電力も少なくできます。
一方、小型の冷蔵庫は全体的に価格帯が低く設定されている他、最適化するにしても小さな庫内ではあまりメリットがないことから、高価なセンサーやインバーターを搭載しにくいという事情があります。そんため小さなサイズではAIによる省エネ効果があまり期待できないわけです。
断熱材の性能差
大型冷蔵庫は庫内の空間が大きいため、一度冷やした庫内の温度を長く保つよう、性能のよい真空断熱材が使われますが、小型は庫内が小さいため、それほど性能のよい断熱材を使う必要がなく、また価格的にも高価な断熱材は使えません。
当然、庫内の温度を保つ性能は下がりますから、小さな冷蔵庫はより多くの電力を使ってしまうことになるのです。
冷気の運用効率
大型冷蔵庫は、容量が大きいだけに詰め込みすぎを避けることができ、そのことによって庫内を冷気がうまく流れ、小さな力でも無駄なく冷やせるようになります。
一杯に食材を詰め込んだ冷蔵庫では、うまく冷気を運用できないわけで、同じ食材の量なら、より大きい方が無駄がなくなるのです。
自動制御の進化とあいまって、大型冷蔵庫は詰め込み過ぎた小型よりも少ない電力で運用できるのです。
同じシリーズでも、電気代の差はほとんどありません
400L以下という容量は、各社のシリーズの中でも一つ下のクラスになりますから、消費電力量に余計差が出てしまうのですが、同じシリーズの場合はどうでしょう。
若干、大きい方がより電気もたくさん使う傾向がありますが、実際の容量の差ほど電気代は増えません。カタログスペックでは650Lクラスと450Lクラスで年間10~20kWh/年程度なので、電気代は年間で4000~6000円程度です。
決して小さくはない金額に思えますが、同じ量の食材を入れた場合、小さい容量の方が冷気の運用効率が悪くなり、よりエネルギーを使います。すると実質的に使用する電気代は、ほぼ同じになってしまうのです。
小さめの冷蔵庫に食材を詰め込むのと、一つ大きめの容量にゆとりをもって食材を入れたのでは、実質的な電気代は同じくらいになる、というわけです。
もちろん普段から冷蔵庫の食材がスカスカの状態なら、あえて大きめを選ぶ必要はありませんが、それでも上位シリーズの一番小さいサイズである450Lクラスを選ぶのが、一番電気代を節約できます。
省エネ大賞の日立は、どれくらいスゴイの?
平成27年度の省エネ大賞を受賞した日立の冷蔵庫は、確かに他社に比べ消費電力量が抑えられています。その差はだいたい10kWh程度で、金額にすると年間で3000円くらいになります。
省エネ性能に関しては、各社とも力を入れているので以前ほどの差はありませんが、家計に敏感な主婦層には、日立の冷蔵庫は人気が高いようです。
海外製品は大きいほで電気代も高くなる
海外製の冷蔵庫には、シンプルな構造で大きなものや、ハイテク技術を駆使した製品などがありますが、日本の冷蔵庫に較べ消費電力量が大きく違います。容量が大きくなるほど電力量も大きくなっているので、ある意味分かりやすいのですが・・・
年中つけっぱなしの冷蔵庫だからこそ、電気代が高いだけでなく、エネルギー資源の乏しい日本では、いくら魅力的な製品でもやめておいてほうが無難だといえるでしょう。
コメント
年間電気代の計算が違うと思います
3万円も安くはなりません
3万円も安くなるわけないですよねー。
結局無駄に大きいもの購入してもその時の費用を回収出来ずに終わる落ちです。
計算方法に問題があると思います。現在のJIS規格は依然と違いますよ。また、電気代の単価によっても違ってきますよ。とにかく、3万円の差は大きすぎると思います。